今回はいままでと打って変わって真面目な『調整』のお話。
今回弊社として初めて『放置ゲーム』というジャンルに挑戦しているわけですが、放置ゲーで一番難しいのは調整かもしれない。
まずゲーム性が『放置して時々(多くて1日に数回)アプリを起動する』だけなので、短時間で筋トレの成果が出てはいけないという前提があります。
しかし逆に成果が出なさすぎると面白くなくなり、アプリから離脱する可能性が高くなってしまいこれもよくありません。
マッチョ555はまず「1~2日経つとそこそこ筋肉が大きくなっている」くらいを目標にしました。それで第一弾を作ってテストしたんですが、結果がわかるまでに時間がかかる。すごく時間がかかる。我々は普段格闘ゲームを開発していて、格闘ゲームでパンチの威力を上げたらボタン押してすぐ結果が分かるんだけど、放置ゲーはそうはいかない。とにかく待たないといけなくて、しかも待った挙げ句バグが見つかって正しく動作してなかったりする(それはそれでデバッグになってるから良いのだけども)。
で、まあそこで思いつくのは
『時間を早送りするデバッグモードを付けたらいいのでは?』
ですよね。もちろん付けました早送りモード。最大100倍速で1日が14分で終わります。そうしたら今度は1日のつもりが1週間放置した状態とかオーバーランさせてしまうという失敗が多発。タイマーで音鳴らしたいwしかし小規模開発であまりデバッグモードに時間割けないので早送りを3倍とか5倍とかいい感じに調整してデバッグしていました。
(※あと、全リセットでヒョロ夫に戻す機能はつけた)
しかしとりあえずこのモードで筋肉の育ち具合とかは確認できるので、これで改めて調整かけたりはするんだけど、だからといって等速でプレイしないわけにはいかない。やはり24時間を30分で済ませるのと実際に24時間かけるのでは体験の質が違うから。
となると1日分のプレイをするのには実際に1日かかるわけで、3ヶ月の開発期間で可能なテストの回数は多くて30日分程度。これである程度まとめないといけないから
『放置ゲームのバランス調整は開発者の経験と勘がけっこう重要』
だと思うのでした。
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マッチョの具体的な話題に戻ると、当初想定していたより筋肉の肥大と縮小のスピードが早い調整に変えました。やはりアイテムなしで24時間放置したら明確に結果が見えないとモチベーションがしんどい。24時間でけっこう育つけど、次に他の部位をやっていると縮んでいってしまうので2日目には『あー、そういうゲームか』って理解できる。最初の部位を多めに育てて、次の筋肉を育てる時間のマージンを計算するゲームです。